東大独自の文化

進学選択制度

東大の特徴はなんといっても進振り制度! 1、2年生の2年間、教養学部前期課程に所属し、その期間の成績をもとに後期課程から各々の学部へ振り分けられます。人気の学部・学科に進学するためには、教養学部前期課程の2年間で勉強を続け、良い成績をとらなければなりません。特に人気なのは医学部医学科、理学部物理科、工学部・理学部の情報系の学科、経済学部や教養学部後期課程などです。科類ごとに進学先の大まかな制限はありますが、成績次第では文転、理転も可能です。

クラス制度

東大では1、2年生の間、科類と第二外国語によって35人程度のクラスに分かれます。このクラスとは、中学・高校と同じくみんなで同じ必修の授業を受けるものです。入学式の前にはオリ合宿とよばれる、同じクラスの上級生(上クラといわれています)と一緒に行く旅行が行われます。今年は日帰り旅行でしたが、コロナ禍以前は1泊2日の宿泊行事だったそうです。早く元に戻るといいですね。上クラの方に憧れて同じサークルに入ったり、一緒にご飯を食べに行ったりなど関係性はクラスによってさまざまです!

外国語授業

東大は外国語教育にも力を入れています。第二外国語としてドイツ語、中国語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、韓国朝鮮語の7言語から選択することができます。選択した言語ごとにクラスの雰囲気に特徴があるとかないとか......
英語の授業は科類に関係なく、入試の点数によってG1、G2、G3の3レベルに分けられ、さらにその中で約20人ごとに分けられて授業を受けます。もちろん同じクラスの人もいます。
また、東大には「グローバルリーダー育成プログラム」の一環として実施されている、TLP(トライリンガル・プログラム)という制度があります。これは英語の入試成績が上位1割程度かつ、プログラムの履修を希望する生徒を対象とするもので、第二外国語を集中的に学ぶという制度です。つまり、入学時点で英語のレベルが既に高い生徒は、普通の生徒よりも第二外国語の授業を多く取ることができます。とても名誉あることで憧れますが、実際はかなり大変で、修了率は30%ほどだとか……

特別な授業

東大では1年生の間に、他大学ではあまり見られない珍しい授業を2つ履修します。
一つ目はALESS、ALESA(Active Learning of English for Science Students/ for Students of Arts)です。名前からわかるように、ALESSは理科生、ALESAは文科生が履修します。この授業は自分たちで決めたテーマに関して英語で論文を書くというものです。ALESSでは、受講生が自らテーマを決めて実験・考察を行い、IMRaDと呼ばれる世界標準の形式にそって論文を執筆します。また、国際的な研究報告会などの参加に必要な、プレゼンテーションや質疑応答のスキルも身につけます。一方ALESAでは、さまざまな学術テーマや文章形式で論理的な文章を執筆し、高度なプレゼンテーションやディスカッションを行う方法を学びます。巷では1年生のうちで最もつらい授業といわれていますが、英語で論文を書き上げたときの達成感はこの上ないものです。
二つ目は初年次ゼミナールです。この授業は、あらかじめクラスごとに割り当てられた複数の授業の中から、自分の興味のある授業を選んで履修するというものです。他の必修授業よりも専門性が高く、学部の教授の方が直接指導してくださいます。授業内容はさまざまですが、ほとんどの授業では論文を読んで発表したり、授業内で扱った内容をもとにレポートを作成したりします。