東大2次試験会場のリアル

はじめに

第73回駒場祭の開会前日である11月17日(木)は、東京大学の前期課程入試(いわゆる「一般入試」)1日目の100日前にあたります。2022年度東大入試の受験者数は8,721人で、そのうち3,085人が合格を勝ち取りました。では、その東大入試で使用される教室は、いったいどのようなものなのでしょうか。今回は、実際の教室をいくつか写真付きでご紹介したいと思います。
東大入試を受ける方は、本番のイメージトレーニングに繋げていただければ幸いです。そうでない方も、自分が過去に受けた入試の会場と比較するなどしてお楽しみください。
この記事では、文系の入試で使われる駒場Iキャンパスから4教室を、理系の入試で使われる本郷キャンパスから1教室をそれぞれご紹介します。
なお、各教室の説明の最初に書いてある「試験座席数」は、大学の定期試験で用いる座席数のことを指しますが、入試においても同じような座席数と考えてよいでしょう。

①駒場キャンパス1号館149教室(総座席数:40 試験座席数:25)

こちらが1号館の外観です。周囲に木がたくさん生い茂っていることがわかります。駒場キャンパスは、渋谷から京王井の頭線で2駅という立地にもかかわらず、多様な植物を楽しめるキャンパスとなっているのです。
話が逸れてしまったので、1号館の話に戻ります。1号館は、国の登録有形文化財となっています。この壮大な外観から、大きな教室がたくさんあるのではないかと想像する人もいるかもしれません。しかし、後述する他の建物と比べると、1号館には小さめの教室が集中しています。例えば、149教室の座席数は前述の通り40です。そのため、普段は語学の授業や少人数のゼミなど、コミュニケーションが重要とされる講義で使用されることが多いです。
こちらが149教室の中の様子です。40席というと、一般的な高校における1教室の座席数と同じくらいです。人によっては入試本番はかなり緊張すると思いますが、教室の雰囲気としては高校で試験を受けているのと変わらないのかもしれません。
座ってみると、このような感じです。後ろの座席との間に余裕があることがわかります。

②駒場キャンパス5号館511教室(総座席数:100 試験座席数:60)

先ほどの149教室と比べると、少し大きいですね。
-座ってみると、このような感じです。後ろの座席との間はあまりないことがわかります。
試験の際は、普段の講義の時よりも使用座席数は減りますが、それでもこのように1つの机に対して3席使用することになります。さらに前述の通り、後ろの座席との間があまりありません。そのため中央の座席に座ると、お手洗いなどのために席を立つ際に、隣の人にも席を立ってもらう必要があります。
この教室で受験した訳ではありませんが、筆者も入試当日は3人席の中央に座ることになり、お手洗いに行く度に隣の人に席を立ってもらえるようお願いしました。すると、その方はとても優しく対応してくれました。合格発表の際にその人の受験番号があるかを確認したところ、受かっていたことがわかり嬉しかったです。

③駒場キャンパス7号館723教室(総座席数:198 試験座席数:108)

先述した2教室よりもかなり大きいです。後方座席の人でも前が見えやすいよう、教室の後方半分くらいは床が緩やかに傾斜しています。
座ってみると、このような感じです。後ろの座席との間があまりないことがわかります。

④駒場キャンパス13号館1323教室(総座席数:536 試験座席数:180)

かなり大きな教室で、2階席があるのがわかります(2階席は大学の定期試験で使用されないので、おそらく入試で使われることもないでしょう)。受講人数の多い、人気講義の教室としてよく使用されます。これは前方から撮った画像ですが、後方に向かうにつれて高くなっているのがわかりますね。
劇場のように、室内に階段があります。
後方からの眺望はこのようになります。
座ってみると、このような感じです。後ろの座席との間が全くないことがわかります。
ちなみに13号館で特徴的なのが、このような広場です(この記事では紹介できませんでしたが、筆者の試験会場であった11号館にも似たような場所があります)。試験当日の休憩時間にここがどういう様子をしているのかを想像してみると、本番へのイメージトレーニングになると思います。友達同士で会話をしているのか、それとも試験が難しすぎて静まり返っているのか……

⑤本郷キャンパス工学部2号館212教室(総座席数:182 試験座席数:104)

※試験座席数は推定値です。
理系向けの入試会場となる本郷キャンパスからも、1つではありますが教室を紹介しておきましょう。212教室の後方からの眺望はこのようになります。
座ってみると、このような感じです。後ろの座席との間は、広くも狭くもないといったところでしょうか。椅子はかなり座り心地が良かったです。

おわりに

ここまで、さまざまな教室についてまとめてきました。いかがでしたか?
教室ごとに、快適さなどの面で大きな違いがあることがわかったかもしれません。しかし、同じ科類を志望する人には似たような教室が割り当てられるようになっているので、教室環境の違いはあまり心配しなくても大丈夫です。
今回の記事が、東大入試を受ける際のイメージトレーニングの一助になっていれば幸いです。また受験生ではない方も、東大の建物や教室ごとの違いを楽しんでいただけたでしょうか。最後までお読みいただき、ありがとうございました。