私たちは、 一人ひとり、ものがたり。
形づくるは、中身で溢れかえった日々。 飾りつけるは、ただのまっさらな日。
意味を持たないあそびは、 ひっそりと紛れて、 ほんのひとつかみの豊かさを。
私のあそびがみ、 めくるせつな、駒場祭。
趣意文
あそびがみ:
本の前後に入った、何も印刷されていない紙。
あそびがみがなくても、本の内容は損なわれません。
すぐにめくられて、ほとんどの読者は気づきもしません。
それでも、本の装丁を静かに整えています。
あそびがみのもつそんな特徴は、駒場祭に相通ずるものがあります。
駒場祭がなくても、人の暮らしは変わりません。
一年でたった三日の、とても儚い祭りです。
人は、なくてはならないものに囲まれて生きています。
衣、食、住。
どれも、生きていくためには不可欠です。
その中で、祭りは「なくてもいい」からこそ、代えることのできない魅力をもつのです。
その魅力ゆえに、たとえ儚くとも、人生をささやかに彩ることができるのです。
人生をほんの少し豊かにするような祭りを、ここ駒場につくりたい。
そんな想いのもと、私たちは今年の駒場祭のテーマを「あそびがみ」に決定しました。